歯は本来、治療をするものではありません。歯やお口の中が常に健康な状態であること、そしてその状態をキープするための治療を「予防歯科」と言います。そのためにご案内する定期健診の重要性とともに、予防歯科についてお話いたします。
当院の予防歯科ではGBTに準じたメンテナンスを行ってます
Guided Biofilm Therapy(GBT)は、臨床的エビデンスに基づいて構築されたシステマチックなバイオフィルム管理のプロトコール(手順書)です。
臨床家がエアフロー、ペリオフロー、ピエゾン技術を用いて、歯面、歯肉、インプラントを清掃し、予防やメインテナンスをおこなう際の基本手順を提唱しています。
GBTメインテナンスの流れ
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01
- 口腔内の状況の確認
- 虫歯や歯周病等などがないかどうか、以前の治療歴の確認や治療後の経過観測も合わせて行います。
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02
- 染め出し
- バイオフィルムを目で確認できる状態にします。
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03
- 日常ケアの指導
- 患者様に合わせた予防方法をご提案します。
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04
- 歯肉縁上・縁下に対するエアフロー
- 歯の表面や歯と歯の間などに対してエアフロー行い、バイオフィルム・ステイン・早期史跡を除去します。
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05
- 歯肉縁下のペリオフロー
- 4〜9mmまでの歯周ポケットのバイオフィルムを除去します。
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06
- スマートピエゾンとPSチップ
- エアフローで取り切れなかった、歯肉縁上・縁下の歯石を除去します。
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07
- 指差し確認
- 歯の一本一本のバイオフィルムや歯石が残っていないか、などを細かくチェックします。
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08
- 次回予約・定期検診
- 歯肉の健康を常に守るためには定期的な検診が欠かせません。
長期的な健康の維持を目指して定期検診を行いましょう。
エアフローについて
当院では、目に見えない細菌の層(バイオフィルム)や、ステインなどの着色汚れにはエアーフローという機械を使います。水と一緒に細かなパウダーを歯に吹き付け、粒子により表面の汚れを落とします。吹き付ける粉により効果がそれぞれ異なり、汚れにあったものを使用します。
粒子はとても小さいので、痛みや歯の表面を傷つけることなくクリーニングが可能です。選択の幅が広いため、患者様の口腔内により適したメンテナンスを受けることができます。
また、通常のメインテナンスでは対応が難しいインプラントやセラミックなどの材質に対しても効果があるので、治療した部位を長持ちさせたい場合も有効です。
エアフローのメリット
- 痛みを感じにくい
- パウダーの粒子は非常に細かく平均14μmです。また水も霧状での噴射を行いますので、歯はもちろんのこと歯茎に当たった際も痛みはほとんど有りません。
- しみにくい
- 噴射の際の水の温度を調整出来るため、知覚過敏など冷たい水でしみてしまう方も気にすることなくクリーニングを受けて頂けます。
- 歯にやさしい
- 従来の予防クリーニングでは尖った器具や研磨剤で歯を磨くのでどうしても健康な箇所も削ってしまいます。エアフローであれば不用意に削らずに処置が行なえます。
- 虫歯予防効果が高い
- バイオフィルムを効率よく除去することにより虫歯や歯周病を未然に防ぐ効果が期待できます。ヤニやカテキンによる着色汚れが落ちることでホワイトニングの効果も期待できます。
エアフローの流れをご紹介します
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01カウンセリング・セルフケアチェック
前回のご来院から、むし歯が出来ていないか、歯ぐきに炎症が出ていないかなど細かく検査を行います。その後、バイオフィルムの染め出しを行い、日常的な歯磨きやフロスで取り切れていない部分などを細かく説明とアドバイスさせていただきます。
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02パウダーを使用したクリーニング
パウダーを歯の表面に当てながら、バイオフィルムやステインなどを除去していきます。
パウダー粒径が小さいため口腔内のあたりがソフトで味も甘いため、子供からご年配の方まで抵抗なく治療を受けていただくことが出来ます。
水溶性で適切な硬さに調整が行われているのでインプラント体、セメント質、エナメル質などの表面への損傷はないので、口腔内すべてに理想の治療を行うことが出来ます。 -
03コーティング
歯の表面をきれいにクリーニングした後に虫歯予防の高いフッ素を塗布します。
フッ素は虫歯菌から作られる酸の生成を抑制したり、虫歯になりかけの歯を元の状態に戻す効果があります。フッ素によるコーティングを行うので、処置後は30分程度はご飲食を控えるようにご協力いただいております。
定期健診を受けることで早期発見、早期治療につながります
当院では治療を終えた患者様に対し、定期健診のご案内を差し上げています。定期健診を受けて頂くのとそうでないのとでは、歯の寿命が大きく変わってきます。
年齢が上がるにつれ、特に歯周病のリスクが高まるため歯の残存数に差が出てしまいます。若い頃はただの歯肉炎としてそれほど重要性を感じていなくても、やがて歯周病へと進行し、気付いたら歯が揺れ動いて抜けてしまった、ということになりかねません。
歯を失う2大原因は、虫歯と歯周病です。どちらも早期発見と早期治療で十分歯を守ることができます。
定期健診を受けていれば、早期の虫歯や歯肉炎などは大掛かりな治療にはなりません。
また早期治療は結果的に通院回数や医療費を抑えることになります。治療が遅れれば遅れるほど症状は悪化するため治療回数が多くなり、その分出費も増えてしまいます。定期健診を受けて頂くことで通院回数や費用を抑えることができることも、実は定期健診を受けていただくメリットのひとつなのです。